学ぶ

Solana(ソラナ)とBase(コインベースのL2)の違い|アーキテクチャ・速度・手数料を公平に比較

Coinbaseのロゴ(Baseの開発元)
写真: Coinbase / Public domain

結論:SolanaはL1の汎用チェーン、Baseはイーサリアムを土台にしたL2。優劣ではなく設計思想の違い

Solana(ソラナ)とBase(コインベースが手がけるイーサリアムのレイヤー2)は、しばしば「速くて安いチェーン」として比較されますが、そもそもの立ち位置が異なります。Solanaは独立した単一レイヤーのブロックチェーン(L1)で、コンセンサス・実行・データの可用性をすべて自前で担います。Baseはイーサリアムの上に構築されたL2(ロールアップ)で、取引の実行はBase上で高速・低コストに行いつつ、最終的なセキュリティと決済はイーサリアム本体に依存します。優劣ではなく、何を優先する設計かの違いです。

この記事のポイント

Solana=独立したL1・Proof of Historyで順序付けを効率化し単一ネットワークで完結。Base=イーサリアムのL2(OP Stack採用)・Coinbaseが単独でシーケンサーを運用し、イーサリアムにデータを刻んでセキュリティを継承。速度・手数料はどちらも実用上ほぼ気にならない水準だが、分散性のトレードオフの中身が異なる(Solana=過去のネットワーク停止歴、Base=単独シーケンサー依存によるリスク)。優劣ではなく目的で選ぶのが現実的。

比較表

観点SolanaBase
レイヤー独立したL1(単一レイヤー)イーサリアムのL2(OP Stackベースのロールアップ)
稼働開始2020年3月(メインネットベータ)2023年8月9日
合意形成Proof of History + Proof of StakeイーサリアムのPoSに依存(独自の合意形成は持たない)
実測スループット目安約1,200〜1,900TPS(2026年6月時点。理論上の上限としてよく引用されるのは65,000TPS)約106TPS前後(2026年7月時点。理論上の最大値は約3,571TPS。アップグレード試験中に瞬間的に5,000TPSのバーストも記録)
手数料の目安1取引あたり1円に満たないケースが中心1取引あたり数円未満が中心(イーサリアムのガス代動向で変動)
分散性単一レイヤーで完結するがバリデータ合意への依存度が高い。過去に複数回のネットワーク停止歴あり(直近の大規模停止は2024年2月)L2Beat基準で「Stage 1」(フォールトプルーフは稼働済み)。シーケンサーはCoinbaseが単独運用しており、2026年6月に単独運用起因の障害が発生
エコシステムの特徴DeFi・NFT・Solana Payによる決済・Solana Mobileなど独自路線イーサリアムのウォレット・ツール・ブリッジをほぼそのまま利用できる互換性

アーキテクチャの違い:単一レイヤー vs ロールアップ

Solanaとはで解説の通り、Solanaは実行・合意形成・データの保存を1つのネットワークで完結させるモノリシック(単一レイヤー)設計です。Proof of Historyという検証可能な時計でトランザクションの順序付けを効率化し、Proof of Stakeによる合意形成と組み合わせることで、単一チェーンのまま高いスループットを狙います。

Baseは対照的に、イーサリアムというベースレイヤーのセキュリティをそのまま借りるL2です。取引の実行(処理)はBaseのチェーン上で高速に行い、その結果(データ)をまとめてイーサリアムに書き込みます。BaseはOptimismが開発した「OP Stack」を土台に構築されており、2026年に入りCoinbaseは独自コードベースへの移行(「Unified Base Stack」)を進めていると報じられていますが、報道によればコードの大部分(約99%)は引き続きOP Stackおよび関連インフラを引き継いでいます。

速度・処理能力(TPS)

「Solanaは速い」というイメージが強いですが、実測値と理論値には差があります。2026年6月時点でSolanaの実測スループットは1時間平均で約1,200〜1,900TPS(非投票トランザクション)で、理論上の上限としてよく引用される65,000TPSとは大きな開きがあります(Solanaが速い理由も参照)。

Baseは2026年7月時点の実測1時間平均が約106TPS、チェーン設計上の理論最大値は約3,571TPSとされています。ただし2026年5月に実装された「Azul」アップグレード(TEEとZK証明を組み合わせた新しい検証システム)のテスト過程では、瞬間的に5,000TPSのバーストを記録したとも報じられています。体感速度としてはどちらも数秒〜十数秒でほぼ確定するレベルで、日常利用での差は縮まっています。

手数料

どちらも数年前のイーサリアムメインネットのような高額な手数料はかかりません。Solanaは手数料の仕組みにある通り、1取引あたり1円に満たないケースがほとんどです。Baseも2024年のイーサリアムのDencunアップグレード(EIP-4844)以降、L1へのデータ掲載コストが下がったことで、1取引あたり数円未満まで下がっています。ただしBaseの手数料は「L2実行手数料」と「L1へのデータ掲載手数料」の合算で、イーサリアム側のガス代が高騰する局面では変動する点がSolanaと異なります。

分散性のトレードオフ

ここが最も設計思想の差が出る部分です。

Solanaは単一レイヤーで完結する分、ネットワーク全体の合意が乱れると影響が全体に及びます。過去に複数回のネットワーク停止を経験しており、直近の大規模停止は2024年2月(処理系のバグに起因)です。以降は大規模な全停止は起きていませんが、Solanaの分散性についてはバリデータの地理的分布やクライアント多様性(Firedancerの普及など)が今も議論の対象です。

Baseはイーサリアムのセキュリティを継承する一方、「誰が取引の順序を決めるか(シーケンサー)」は現時点でCoinbaseが単独で運用しています。L2Beatの評価ではBaseはフォールトプルーフが稼働する「Stage 1」に到達していますが、シーケンサーの分散化(Stage 2に必要な要件)はまだ実装されていません。実際に2026年6月25日には、不正なブロックの処理をきっかけに単独シーケンサーが約2時間停止する障害が発生し、単独運用のリスクが改めて指摘されました。

つまりSolanaは「単一ネットワークとしての合意への依存」、Baseは「イーサリアムに担保されつつ単独シーケンサーという中央集権点が残る」という、異なる種類のトレードオフを抱えています。

エコシステム

SolanaはエコシステムとしてDeFi・NFT・Solana Payによる決済、Solana Mobileなど独自路線のプロジェクトが多いのが特徴です。Baseはイーサリアムのウォレット(MetaMaskなど)・ツール・ブリッジをほぼそのまま使える互換性の高さと、Coinbaseの大きなユーザー基盤との連携(アプリからのオンランプなど)が強みです。

どんな人にどちらが向く?

  • 独立したL1で完結する高速・低コストなエコシステムを使いたい人 → Solanaが向いていることが多い
  • 既にイーサリアムのウォレット・DAppに慣れていて、イーサリアムが担保するセキュリティやCoinbaseとの連携を重視する人 → Baseが向いていることが多い

対立ではなく補完として、両方を使い分ける人も増えています。優劣を決めるのではなく、目的とリスク許容度で選ぶのが現実的です。より広いL1同士の比較はSolanaとEthereumの違いも参考にしてください。

次に読む

よくある質問

Q. SolanaとBase、結局どちらが優れていますか? A. 優劣はありません。SolanaはL1として単一ネットワークで完結する速度・低コストを追求し、BaseはイーサリアムのセキュリティをL2として継承します。目的で選ぶのが現実的です。

Q. 手数料はどのくらい違いますか? A. どちらも1取引あたり数円未満が中心です。Solanaは常に安定して低コスト、Baseはイーサリアムのガス代動向によって変動します。

Q. どちらのほうが分散化されていますか? A. 単純比較はできません。SolanaはPoH+PoSで単一レイヤーの合意を形成しますが過去に停止歴があります。BaseはL2Beat基準でStage 1(フォールトプルーフ稼働)ですが、シーケンサーはCoinbaseが単独運用しており2026年6月にも障害が発生しました。

参考・出典

  • Solana 公式: https://solana.com/
  • Solana 手数料の仕組み(公式ドキュメント): https://solana.com/docs/core/fees
  • Base 公式: https://www.base.org/
  • Base 公式ドキュメント(ネットワーク手数料): https://docs.base.org/base-chain/network-information/network-fees
  • L2BEAT「Base」: https://l2beat.com/scaling/projects/base
  • Chainspect「Solana」: https://chainspect.app/chain/solana
  • Chainspect「Base」: https://chainspect.app/chain/base

投資にあたっての注意

本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産(SOLを含む)は価格変動・ハッキング・ネットワーク障害などのリスクがあります。投資判断はご自身の責任で、余裕資金の範囲で行ってください。

Sources

  1. Solana 公式
  2. Solana 手数料の仕組み(公式ドキュメント)
  3. Base 公式
  4. Base 公式ドキュメント(ネットワーク手数料)
  5. L2BEAT「Base」
  6. Chainspect「Solana」
  7. Chainspect「Base」

FAQ

SolanaとBase、結局どちらが優れていますか?
優劣はありません。SolanaはL1として単一ネットワークで完結する速度・低コストを追求し、BaseはイーサリアムのセキュリティをL2として継承します。目的で選ぶのが現実的です。
手数料はどのくらい違いますか?
どちらも1取引あたり数円未満が中心です。Solanaは常に安定して低コスト、Baseはイーサリアムのガス代動向によって変動します。
どちらのほうが分散化されていますか?
単純比較はできません。SolanaはPoH+PoSで単一レイヤーの合意を形成しますが過去に停止歴があります。BaseはL2Beat基準でStage 1(フォールトプルーフ稼働)ですが、シーケンサーはCoinbaseが単独運用しており2026年6月にも障害が発生しました。
新井 そら
  • ブロックチェーン・リサーチャー
  • Solanaエコシステム取材歴5年
  • 元Web系エンジニア

2021年からSolanaエコシステムを取材・分析。SPLトークン・DeFi・NFT・バリデータ運用に精通し、初心者にわかる解説を重視。

本記事は情報提供のみを目的とし、投資・金融・取引の助言ではありません。価格は参考値で古い場合があります。投資判断はご自身の責任で。